航海日記
+++ 海王丸な一日 +++
(体験航海の日課表です)
0630 起床 おはよーございます
0640 整列 甲板に全員集合してみんなで体操します
清掃 引き続き甲板流しや居室の清掃をします
0730 朝食
0830 課業整列 またまた全員集合で点呼&朝礼^^です
体験orお勉強
1130 昼食
1300 課業整列 朝と同じように甲板上で点呼(体操付き^^)
体験orお勉強
1630 夕食
休憩or当直体験 希望者は1〜2時間のワッチ体験ができます
1945 清掃 それぞれの持ち場に分かれて船中を掃除します
2000 巡検 点呼を兼ねたお掃除の出来栄えチェックです
これが終わるまでは作業着です
入浴&フリータイム シャワーは毎日使えますが、お湯を張るのは一日おきです
2230 消灯 おやすみなさいまし


4月22日(火)
乗船式 甲板上で皆さんと顔合わせ。キャプテンの許可をもらいなんちゃって乗組員に^^
オリエンテーション 船内生活の諸注意と非常時の避難経路などの確認
航海概要説明 テキストやスライドで帆船や航海についてのお勉強
当直体験 航海当直=ブリッジに入り実際に舵も持たせてもらいました…難しかった^^;
 前夜緊張で眠れなかった…ってことは一切なく、寝不足と疲れで爆睡したお陰で目覚めはばっちり。
ホテルからてくてく歩いて0830過ぎに海王丸へ乗り込む。男性10名女性8名の珍航海の始まり。
借りた作業着のでっかいこと!女性陣はみんなブカブカで着替えながら大笑い。
 1000の乗船式の後は居室の整理をして少し休憩&船内探検^^
 1130昼食(鮎の塩焼きとあんかけそば)普通はこの時間に朝ご飯を食べる私なのにすでに2度目の食事^^さすがにお腹は…すいてない。
 午後の課業整列では初めての点呼が…A班の班長さんとゆーことで一歩前に出て「A班5名よろしい!」って言わなきゃいけないのに、小気味よく続いた実習生の点呼の後で一瞬沈黙が…だってタイミングがわからなかったし^^;久々に緊張して敬礼も報告もうまくできなかったぁー。はずかしー。
 そのままブリッジに上がり出港の準備を見学する。舫いが解かれていよいよ出港。海王丸の船底には揺れ防止のための長いキールがあるので横移動が苦手だそーで2隻のタグが登場。屋久島行きのトッピーがすぐ先停泊しているので、常に距離をチェックしながら慎重に離岸。これから4日間海の上…もう逃げられないって思うとドキドキ。船酔いしたって絶対降りられないしね。そのまま港の出口まで引っ張ってもらい船の向きを変えて登しょう礼。生&初めて&真下で聞く「ごっきげんよぉーっ」は感動でした。
 1430頃までにはヤードの切り替えも終わり錦江湾を南下。第二教室で航海全般のお勉強。1600過ぎベッドメイクを習いその後ゴミ置き場やらの船内探検に。少し白波が目立ち始める。
 1630夕食(ステーキ・かつおのたたき)この時間に夕食なんてと思ったけど結構食べられるもんです^^
 この頃から少しうねりが出てきて揺れ初め、食後はみんなベッドに横になる。元気でいられるのももう時間の問題だと思いつつ「まだまだ大丈夫」と自分に言い聞かせ…
 1800から1時間の当直体験は”元気なうちに”とブリッジを希望。佐多岬辺りを航行中で揺れがますますひどくなり、ブリッジに上がるとすごいことになってた。大揺れで立ってるのも大変だったり…台風に向って走ってるんだから仕方ないけど、風もすごいし潮をかぶるデッキを見てるだけで酔いそうだった。それでも海図を見たり、レーダー、コンパスなど走っている船のものを見ることは滅多にないので興味深々。他の船との位置確認や変針など実習生もまだ勉強中ということで、報告がしどろもどろだったり。舵を持たせてもらったけどこれがなかなかうまくいかない…しかも急旋回してみたい衝動に駆られてしまう(^-^;
 1945からの清掃は第一教室。かなりの揺れでテーブルを拭こうにも下を向くと気持ちが悪くなりそうで、顔を上げたままなんとかやっつけた。2000の巡検が終わって無事に無罪放免。部屋に戻るとすでに何人かダウンしてベッドに寝ていて、巡検が終わって戻ってきたみんなもかなりグロッキー…このままじゃヤバイと思い、気分転換にひとりシャワーへ行った。やっと作業着を脱いでさっぱり☆
 2230の消灯の頃から2300頃まで携帯の電波が入っていたので(種子島)ベッドでメールしたり、掲示板のチェックをしてるうちに睡魔が…緊張と疲れでそのままご就寝。

4月23日(水)
帆走ギア取扱
要領説明
甲板上でギアを扱う時の注意事項の説明や、コイルダウンとコイルアップの練習など(私がやるとロープがヨレヨレになる^^;)
登しょう訓練 メインマストのトッポボードまで×2回
展帆&絞帆
当直体験 今日は機関室へ
 0600頃なんとなく目が覚めた。揺れは収まり甲板に上がると少し曇ってはいたものの海は青いし気温も高くてさすが南の海って感じ。屋久島を通り過ぎすでにトカラ列島の辺り。点呼でまたタイミングが合わずに間があいてしまった…体操の後の朝別課は甲板流し。一度やってみたいと思っていたヤシの実たわしで「わっしょい、わっしょい」も5分もやってると”もうごめんなさい”状態。終わる頃には太ももがガクガクして”何が悲しくて朝の7時に裸足でこんなことやってんだろー?”と思ってしまった。
 0830からは甲板上でギアの説明を受ける。どのギアがどのセイルで、どこをどう引いてどう緩めればいいのかわかるまでいったいどれくらいかかるだろう?
 その後初めての登しょう訓練ってことでまずは安全ベルトのつけ方を確認。指輪も時計も全て外してメインマストのトップボードまで順番に登った。少し風があるので最初少し怖いような気もしたけど、登り始めるとこれがまた楽しい♪周りを見渡すとキレイな青い海だけ。めっちゃ気持ちよかった♪降りる時はさすがにちょっと怖かったけど、余りの気持ちよさに2回も登らせてもらった(^ー^)v
 1025から帆走ぎ装概要の講義。今まで船内で下を向くなんて怖くてできなかったけど、教室で勉強しているのになぜか気分が悪くならない。
 1120昼食(シャケ&ホタテ味噌焼き、鴨のソテー)甲板流しと登しょう訓練のせいかお腹ペコペコ。
 1300の課業整列は素足に安全ベルトの登しょうモードで。体操の後はさっそく展帆に入る。
 @フォアマストでヤードをスターボードタックに変えるお手伝い。
 A班毎に分かれて私たちA班はフォアマストへ。実習生が登しょうして解帆。
 Bいよいよ展帆。まずはバウスプリットの縦帆→ロアートップスル→アッパートップスル→・・・
全てのマストの帆が揚がったところでロアーヤードの帆を降ろし完了☆途中まで機走していたのに、いつの間にかエンジンが止ってた。一時間ほどかけてみんなで着替えさせた、船首から見る海王丸のキレイなこと♪船体は緩やかに傾斜したまま揺れは全くなくなり、音もなくすぅーっと滑るような感じ。この時は9.65ノットで走っていたそうです。その後絞帆は展帆の時よりも力がいらないような気が…それでも終わる頃にはかなりクタクタで体が痛い。特に手と足の裏。それでも希望して^^バウスプリットの帆をさなぎに戻す作業をさせてもらった。ボスン(甲板長)の手伝いをしてんだか、邪魔をしてんだか…(^-^; ネット越しの足元は真っ青な海で、振り返ると船が水を切って走っているのが見えてめっちゃ感動☆
 1630夕食(イカのトマトソース煮、ハムステーキ 夜食:どんべえ)
 1800の当直体験は機関室へ。ひと通りの見学と説明を受け、みんな疲れているので30分で切り上げて部屋に戻る。久々に汗だく&ヘトヘトだったので混まないうちに先にお風呂に入った。浴槽に海の水をだぁーっと入れた後、蒸気で温める噂の海水風呂♪ピリピリ気持ちいい一番風呂をいただきました♪
 1945巡検前の清掃は居室担当。ひとりだけだったんでのんびり部屋のお掃除。
 巡検後は少し復活して、9時くらいから指導員の先生の部屋へ遊びに行った。いろんな話を聞かせてもらい、女性ばっかりでなんだかんだと賑やか^^
 一日体を使って足がパンパンで、階段の上り下りがすでに辛い…筋肉痛の予感…

4月24日(木)
仮泊部署見学 仮泊地での投錨作業見学
ロープワーク 基本のもやいなどをいくつか習う
無線部概要
事務部概要
機関部概要
机の上でのお勉強&見学
総錬 全員で行う訓練です
懇親会 専任教官&航海士との懇談会
 朝目を覚ますと予想通り筋肉痛で体中が痛い&あいにくの空模様。小雨のおかげで整列も第一教室になったので甲板流しがなくなり、みんな素直に喜ぶ♪が、しかし。ゲルンボードまで行くぞ!と楽しみにしていた2回目の登しょう訓練まで中止になりガーン(ToT)スケジュールが大幅に変わったー。
 航跡図を見るとすでに五島近くから長崎を目指していて、朝食後しばらくすると陸が見え始める。もう長崎かぁーと思うとちょっと淋しい。んでも見覚えのある陸が見えてくるとやっぱりホッとしたり。
 0900長崎港の外の伊王島の正面に着き、ブリッジで投錨作業を見学。
 0930セイルロッカーでロープワーク by ボスン。
 1000無線部の見学と事務部概要の授業。
 1130昼食(串カツ、カレーうどん、魚のムニエル)海王丸に乗ってから三日、腹時計がやっと始動^^
 雨が上がって午後の課業整列は甲板で、いつもの体操…っと。ところが体中が朝よりガチガチ!筋肉痛が全身に広がって情けない体になってしまって…体操どころじゃないっつーの。
 今日の訓練の目玉の総錬。防火部署じゃなくって本当は総員退船部署で救命艇に乗ってみたかったのに残念^^;一度部屋に戻り非常ベルと共に救命胴衣をつけて甲板へ。レク室から出火という設定だけど、研修生は逃げるのが仕事ということで^^甲板に集合した後はひたすら見学する。水密扉が閉まっても手動で開けられるとは知らなかった^^;放水の訓練では実際に海に向って放水させてもらった。かなりの水圧でノズル支えるのは大変だったけど、海面のカツオノエボシ目がけて放水してみました(^ー^)v
 1615夕食(豚の角煮、ゴーヤチャンプル)の後1800から士官懇談会。士官サロンって思ったより広かった。
 お掃除は浴室担当。巡検の後はシャワーしてその後また指導員の先生の部屋に遊びにいく。男性陣は今夜も^^部屋で宴会のご様子。最後の夜だからねー。
総錬が3時に終わった後はゆっくり時間が取れたので、甲板をウロウロして写真を撮ったり。もちろん携帯の電波もばっちり入るし、伊王島や香焼造船所など見慣れた長崎の風景なのに海の上にいるのが不思議な感じ。最後の夜かと思うと淋しい。現実に帰りたくないような…もうちょっと逃避行させてって感じ。  

4月25日(金)
船長&機関長
懇親会
船長室のサロンで
下船式 入港パレードの関係で早めの下船式。なんちゃって乗組員もおしまいです^^
入港部署見学 抜錨→入港作業の見学
 朝から曇り空だったけど雨は降っていなかったので、整列は甲板で。朝別課はもしや甲板流し??と思ったらそこには噂のピカールが…なるほど。入港前だし一般公開も控えてるからピカピカにするってわけね。ってことで手分けして船の上のあらゆる金属と格闘。う〜ん、ピカール様、さすがですわ。
 船長室での懇親会では、キャプテンがあまりにも穏やかで優しい話し方をするから^^目がくっつきそうに(^-^; それでもいろんな話を聞いてるうちになんとか克服。帆船で世界を周れるなんてすごいわぁ。若い頃よく「夢は七つの海を制覇(”泳ぐ”だけどね^^;)すること」って言ってた私けど、東シナ海とか有明海まで入れたらそろそろ達成してる頃かも(意味不明)その後は荷物整理をしたり船内探検ツアーに出たり。
 1100には甲板上で全員で記念撮影などを♪その後早めの下船式をして最後の昼食(天津飯)。
 1330頃甲板に出ると風が強くなって波が立っていた。タグもお迎えに来てくれて、いつしかパイロットも乗り込んでいる。抜錨作業を見学するために上がったブリッジは強風で大変なことに〜。風速10m以上なら中止になるかもという入港パレードはとりあえず行われることになったそうだけど、その実、すでに15mは越えてたらしい…ぶっ飛ばされそうになりながらも錨が上がるのをしっかり見学。その間福田の方から他の参加帆船が通り過ぎて行き…日本丸が先に動き出し…タグに付き添われながらゆっくりと長崎港へ進み始める。見慣れた街の風景がどんどん近づいてくるとドキドキワクワク♪で帰ってきたヴィクトリア(引退した青函連絡船”大雪丸”がなぜか長崎でホテルとして甦っている^^)の前では一度全員整列して敬礼。造船所に入っている船からもご挨拶の旗が揚がっていた。出島の岸壁には平日の午後なのにたくさんの人が迎えてくれていて、地元の港なのに迎えられるの立場ってのが何となく嬉し恥ずかし^^&あんな遠くの海から船酔いもせずに無事帰って来られたことに感無量になったり♪先に入った日本丸の後ろに、2隻のタグに押されながら1400頃にゆっくり接岸。それから居室に戻りずっと着たきりスズメだった作業着を脱ぐ。久々にキレイな(=清潔なね^^)服を着たら、一気に淋しくなった。ブカブカでおかしかった作業服にもいつしか馴染んで、メットもなんとなく似合うようになってきたのになって。そういえば、敬礼も上手になったと誉められたしぃ(^ー^)v作業服と登しょう帽を返却して荷物をまとめ甲板に上がったら、入港の時は小降りだった雨が本降りに(ToT)海王丸に後ろ髪惹かれながら、仲間のみなさんへのご挨拶もそこそこに船を後にしました。迎えもなけりゃ傘もなくて、海王丸クラブのテントでしばらく雨宿りしてたけど止みそうにないし、その後人と待ち合わせもあったので雨の中を歩き出したけど…出島ワーフに着く頃には全身ずぶ濡れ(ToT)
 てなわけで、はちゃめちゃな4日間はこんな悲惨な幕切れを迎えました。ちゃんちゃん。