2002年10月の火災で修復中のダイアモンドプリンセスに代わり、二番船のサファイアプリンセスとして
建造中だった船を急きょダイアモンドプリンセスとして造りあげ、2004年2月26日完成披露されました。
これまで長崎の港から生まれた豪華客船クリスタルハーモニー・飛鳥よりもさらに大きな11万トンの船。
市民にお披露目する意味で、完成後、造船所から対岸の松ヶ枝埠頭に移動、数日間係留されたのです。
完成を半年後に控えて内装工事中だったその美しい船は、あの夜、数時間に渡って煙を上げ続けました。
港の風景の一部になっていた船を対岸から多くの市民が心配そうに眺め、涙する関係者もいました。
修復が決まると全国からたくさんの職人さん達が集まり、夜を徹しての作業も続きました。
元ダイアモンドプリンセスは、船体の約4割を焼失するという悪夢のような火災から1年後、再度進水し、
2004年5月27日、サファイアプリンセスとして生まれ変わり、プリンセスクルーズ社に引き渡されました。
火災と修復作業を見守ってきた市民にとって、この二隻の船は特別な存在。
『市民の夢』『市民の誇り』とまで言われるほどです。
長崎で生まれた世界に名をはせる船が港を去った後は、晴れがましさと淋しさが入り混じっていました。 |