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5.7月26日(月) オヤンタイタンボ(2800m)⇒マチュピチュ(2400m)
★安宿の朝
いよいよマチュピチュへ行けるという興奮のせいか、まるで遠足の日の朝のように朝4時半には目が覚めました。もちろんまだ暗く、暖房のない部屋はやはり冷えていました。少し侘しい雰囲気の中、再び湯沸し器の出番です。コーヒーやお味噌汁を作り、前日買ったフルーツとカロリーメイトで簡単な朝食を取りました。高地での体調や気温、精神状態まで考えて、今回初めて電気湯沸し器やインスタントのお味噌汁などを持参したのですが、この朝はつくづく”持ってきて正解だったー”と思いました。6:15にはチェックアウト、少し冷たくて、でもとても気持ちの良い空気の中、目覚めたばかりのオヤンタイタンボ遺跡や朝霧の山々を眺めながら駅へ向かいました。

★アンデスの車窓から
チケット売り場横のフェンスがホームの入り口です。チケットを見せ中に入りしばらくすると列車が入ってきました。そしてどこからともなく大勢の人が集まってきました。ローカルと貨物が1両ずつ、ツーリスト用は2両で、どちらもバックパッカークラスでした型式が違い、私たちは明らかに古い方の車両で、前の人と足が交差するほどの狭さでした。(幸い空席があったので後で移りましたが…)5分遅れて6:45にを出発、ここから約1時間半、アグアスカリエンテスまで標高差800mを下って行きます。進行方向右側は崖、左側はウルバンバ川で、雪を抱いたビルカバンバの山々に朝霧がかかり、その美しい風景はTVの紀行番組そのものでした。もちろん単線で、途中一度だけ、アグアスから来る列車との待ち合わせがありました。アグアスに近づくにつれ、車窓から見える植物が少し変わってきました。緑も濃くなり、ところどころ、シダやヤツデに似た亜熱帯の植物が見えました。これもアマゾンに続く川…この高度なのに、ここは半分ジャングルなのです。

★予約が・・・入ってない?!
列車は村のレストランやホテルの軒先ぎりぎりのところを通り抜け、8:15、アグアスカリエンテス(約2000m)に着きました。気温も少し上がり、高度による違和感はほとんど感じません。ホームもレストランなどの店先で、片側だけ高くなっています。列車を降り、さっそく予約した線路沿いの宿 Presidente へ向かいました。フロントで、前夜列車のチケットが取れず、さらに電話も通じなかったことを告げ、バウチャーを見せると、予約帳を確認してひと言「予約は入っていません」・・・えええええ?!かの有名な、全世界のホテル予約システムで予約し、事前にカード決済していたのに、入っていないとは・・・またしても大事件!(そんなはずはない、ほら、リマの旅行社の名前だって入ってるし・・・)彼女はその旅行社の名前を見て納得した顔で言いました。「あー、これたぶんマチュピチュインの予約だわ。この旅行社の手配で同じようなミスが何日か前にもあったから」(そんなぁぁぁ)いんちき英語でどうにかならないか交渉してみると、彼女は親切にもマチュピチュインに電話をして確認してくれました。結果、確かに私の名前で2泊予約されている、迎えに来るからここで待っていて、とのことでした。「違うホテルに予約って、どういうこと?!しかも高いホテルだよー」と困惑しているうちにベルボーイがやってきて、私たちはフロントの女性にお礼を言い彼についてマチュピチュインへ。そして何事もなかったかのように普通に迎えられました。実は、予約していたプレジデンテとマチュピチュインでは1泊あたり(円建ての事前払い)\5000ほども違います。前夜の1泊をふいにしたので、これで帳尻があうということで…こんなラッキーな手違いなら大歓迎です。もちろん手配元にはクレームは出していません(逃っ)

★いざマチュピチュへ
バスルームも広く快適な部屋に通され、休む間もなく急いで用意をしました。虫除けや日焼け止め、着替えやタオルなどをリュックに詰め、9時には遺跡へ向かうミニバスに乗り込みました。つづら折のハイラム・ビンガム・ロードを約20分かけて登っていきます。片側は崖の細い道ですが、シャトルバスには無線がついているので上手にすれ違います。かなり上がってきてもどこがマチュピチュなのかわからなかったのですが、残り数カーブというところで遺跡が突然姿を現し、車内にどよめきが広がりました。はやる気持ちを抑えて中へ入ると、すぐに段々畑が、その向こうに遺跡が見えてきました。いつの頃からか漠然と憧れてはいたマチュピチュに今自分の足で立っている…感動で鳥肌が立ち、涙が出そうでした。早く遺跡内へ入りたいところをぐっと我慢して、まず高いところから遺跡全体を見ようと思い、通常の出入り口ではなく、最初の畑の左側にある小さな階段を上ることにしました。林の中の小道を5分ほど登ると、見張り小屋の少し上、インティプンクへ続く道へ出ました。マチュピチュ山への入り口近くでリャマ達に出会い、しばらく戯れた後、見張り小屋の方へ下りました。ここから遺跡をしばらく眺めて全体の位置関係を確かめ、太陽の門から遺跡内部へ入り、そのまま広場を進みました。さっそく背後のワイナピチュ(若い峰)へ登るためです。

★拷問の峰、ワイナピチュへ
朝のうちに登るつもりだったのですが、あちこちで足が止まり、入り口へ着いたのはすでに10:40でした。管理小屋のノートに、通し番号、入山時間、名前を記入して入山します。手前の小さな峰を抜けるためにまずは藪の中の小道を少し上り下りした後、軍手をつけワイナピチュへ入ります。しばらくはゆっくりとした広めの石段なので、見え隠れするウルバンバ川や植物を眺めたり、冗談を言う余裕もありましたが…15分くらい登った頃から次第に足が重くなり始めました。道も人ひとりしか通れないような幅になり、その辺の石で作った不揃いで滑りやすい階段の脇は断崖絶壁。ほとんどの所にはワイヤーの手すり、また50cm以上ある段差にはロープがぶら下げてがあるのでそれを頼りに登ります。少し低いとは言ってもここはやはり2600mほどの高地です。息切れもひどく、”心臓が口から飛び出そう”という状態を初めて体感しました。ついには休みながらでないと10mも進めない状態になり、しゃがみ込んでは立ちくらみの繰り返しで、「何でこんなこんな辛い所へ来てしまったんだろ…」「これじゃまるで拷問だ…」と出てくるのは泣き言ばかり。(実際途中で諦めて引き返す人もいました)前後の”囚人”達も、降りてくる人に「後どれくらい?」と聞いてはため息の繰り返しです。こうしてなんとかたどり着いた頂上付近にも段々畑や建物の跡があり、少し広い展望所もありました。ここからさらに大きな岩のトンネルをくぐったりよじ登ったりしてやっと頂上に着きました。入山から約1時間が過ぎていました。周囲は踏み外すと命はないだろうと思えるような断崖絶壁で、軽い酸欠状態もあってめまいがひどく、最初は立っているのが精一杯。しかしここからの眺めは本当に素晴らしく、マチュピチュの遺跡がどのような場所に作られてるかよくわかります。ここで30分ほど絶景を眺めて下山しました。膝が笑って怖かったので、ゆっくりと40分かけて降りてきました。管理小屋で名前の横に下山時刻を記入し終了。入山時の通し番号を覚えておくと良いでしょう。ところで、ワイナピチュがこんなに険しい所だとは思いませんでした。運動不足のせいもあって、その後3日間は見事に筋肉痛でした(泣笑)

★遺跡内部探索
ワイナピチュから降りてきたのはもう13時過ぎでした。持参のポカリスエットは登りですでに飲み干していたので喉がカラカラで、一度遺跡の外に出ることにしました。ツアーのお客さんがランチで使うサンクチュアリロッジではなく、入り口のカフェにしました。リュックの肩紐まで濡れるほど汗をかいていたので、弟はビール、私はコーラでクールダウン。疲れ過ぎて食欲はありませんでしたが、朝5時頃軽く食べただけだったので、無理やりサンドイッチを半分食べました。30分ほど休んで再び遺跡へ入り、また見張り小屋の辺りから遺跡内部を見ることにしました。まず、石切り場から主神殿へ。私たちはガイドなしなので、時おり見かけるツアーのガイドさんの説明を盗み聞きするのも手ですが…歩き方や文庫本などを見ながらの探索です。主神殿から、遺跡内で一番高い位置にあるインティワタナ(日時計)に上がる途中、遺跡の中でも特に急な斜面の段々畑へ入ってみました。角を曲がったら死角になり(ちょうどこの辺↓)他の観光客も見えず、そこに自分達だけいるような気がしました。日陰であまりにも気持ちよかったので、ここでしばらくボーっと景色を眺めていました。当時のインカの人々が暮らしや、1911年ハイラム・ビンガムがこの崖を登ってきてマチュピチュを発見した時のこと(実際はそれより数年前にクスコの農民が発見)などを想像していました。しかし断崖絶壁の上の段々畑の狭いこと!こんな場所でも人々の暮らしを支えるためには必要な畑だったのでしょうが、高所恐怖症ではない私でも足がすくみ、ここで耕作する勇気はとても持てません。次に向かったインティワタナでは不思議な光景に出会いました。20人ほどのアメリカ人の集団が日時計を囲み、ひとりの男性の号令で瞑想したり何か呟いたりしていました。ここで石から”気”をもらう話はよく聞いていましたが、実際いるんですね。マチュピチュには超科学的な”何か”が宿っていると思わせる雰囲気は確かにあります。翌朝もヨガをしている人をみかけました。彼らが宗教系のグループなのかどうかはわかりませんが…しばらく”独占”していたおかげでなかなか日時計を見られずちょっと迷惑だったり。それから技術者の居住区、貴族の居住区、牢獄やコンドルの神殿、太陽の神殿、王女の神殿などを見て回りました。すき間のない石組みや、太陽の神殿の美しいカーブも見事でしたが、あちこちで自然の石をうまく利用してある建造物が目を引きました。岩のすき間を石組みで埋めて補強したり、中をくり抜き部屋にしたり、ひとつの岩を削って壁と階段にしたりと、石を自在に加工しているその技術と知恵に感心しました。内部を歩き回っているうちに空が暗くなり小雨が降り出しました。ほんの数分ほどで止んだのですが、しばらくしてアグアス方向の山に虹がかかりました。夕暮れ前のひと時を、時には2本になりながら、約30分もの間楽しませてくれました。500年以上前の暮らしをリアルに想像させてくれたり、インカ帝国のロマンに触れさせてくれるだけではなく、この夕暮れの虹といい、翌日に見た朝の光景といい、マチュピチュは様々な演出で観(光)客を楽しませてくれます。約3時間、駆け足でほぼ全体の遺跡を見終わり、心地良い疲れと満足感でいっぱいで17時頃遺跡を後にし、アグアスへ下りました。

★ペルーで露天風呂♪
そのままアグアスカリエンテスの温泉で汗を流そうと思い、ホテルへ戻りすぐに用意してきた水着に着替えました。日が暮れ始め小雨が降る中、筋肉痛でパンパンの重い足を引きずってホテルの前の道を5分ほど上ったところに小さな小屋を発見。ここで料金を支払い、また少し進むと、川の向こうに温泉が見えてきました。打ちっぱなしのコンクリートの、プールのような露天風呂です。もちろんロッカーはないのでカメラが心配でしたが、ポリスや監視の人がちゃんといたので着替えにくるんで脱衣所の棚に置き、ビーサンのまま中へ。奥の小さな浴槽に穴を開けただけのシャワーがある洗い場でさっと汗を流し、さっそく大きい方に入ってみると…ぬるい…しかも子どもがはしゃいでいるのでしぶきがすごい…小さな浴槽の方が少し温かかったので、そちらに入りました。お湯はお世辞にもキレイとは言えませんでしたが、久しぶりの温かいお風呂、それにワイナピチュの拷問の後だったのでかなり長い時間浸かっていました。それでも全然温まらず、上がってからの寒いこと!急いで着替えて(脱衣所にはカーテン付きの個室がちゃんとあります)一度ホテルへ戻りました。ホテルの前の通りに小さなレストランがたくさん並んでいましたが、ブラブラと下り、結局は線路沿いのレストランで夕食を取りました。温泉でストレッチをしたりこわばった筋肉をほぐしたりしましたが、緩い坂道でも足が異常に重く、ワイナピチュの拷問はまだまだ続く嫌な予感が…早朝から動き回りさすがに身体はクタクタでしたが、マチュピチュの感動を引きずってハイテンションのまま…23:30にやっとベッドに入りました。
$浪費メモ
シャトルバス(往復)@9$ マチュピチュ入場料@20$ 昼食(2人)50sl 温泉@5sl 切手50sl
夕食(2人)70sl タペストリー(4枚)110sl 水・ビール5sl
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1.出発⇒リマ2.リマ3.リマ⇒クスコ(市内)4.聖なる谷・オヤンタイタンボ5.マチュピチュ6.マチュピチュ⇒クスコ
7.クスコ⇒プーノ8.チチカカ湖9フリアカ⇒リマ10.リマ11バジェスタス島&ナスカ12.リマ⇒出国13帰国