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6.7月27日(火) マチュピチュ(2280m)⇒クスコ(3360m)
★マチュピチュの朝
8:55発の列車でオヤンタイタンボに戻らないといけないので、マチュピチュへ上っても1時間ほどしかありません。それでも行きます、もちろん。5時に起きて荷物をまとめ、朝食後そのままチェックアウトして、荷物はフロントに預けました。バス停に着いたのは6:15頃でしたが、朝のマチュピチュを見るためにすでに大勢の人がチケット売り場に列を作り、バスももう7〜8台並んで待機していました。たった1つしかない窓口でチケットを買うのに30分近くもかかり、そうこうするうちに夜が明けきってしまい、しかもあまり時間もなかったので、朝からうんざりしてしまいました。遺跡に着いたのはちょうど7時。太陽はまだ山の向こうで、なんとか日の出には間にあいました。急いで見張り小屋の方へ上るとすでにたくさんの人が、遺跡が目覚めていく様子を眺めていました。私たちはもう少し上に上がり段々畑に陣取りました。ワイナピチュの頂上から光が降りてきて、やがて朝陽が遺跡全体を照らし出しました。するとすぐにアグアスカリエンテスの方の谷間に朝霧が発生し、マチュピチュ山の方まで斜面に沿って這い上がっていきました。遺跡を覆っては消えていく白い霧が朝陽に反射して、反対側の、まだ目覚めていない谷間の暗闇とのコントラストに言葉を失いました。この神々しい光景は、今でもしっかり目に焼き付いています。朝の光線のマチュピチュが一番美しいと言われますが、それはひとコマの写真や言葉ではきっと伝わらないでしょう。ツンとした朝の空気と山の匂いも、テレビや写真集では感じることはできません。たった1時間の朝のマチュピチュでしたが、上ってよかったと思いました。だってこの朝の光のレビューを見るために、地球の裏側からはるばるここまでやってきたのですから。
  

★壁に耳あり、障子に…
あまりの美しさに時間を忘れ、8時頃に慌てて遺跡を出たものの、バスがなかなかやってきません。乗り遅れたら翌日のプーノ行きも全てアウト…冷や汗が出た頃にやっとバスが来ました。アグアスに着いたのが8:40。列車は15分後の出発です。幸いバス停はホテルのすぐ近くなので、バスを降りて走ってホテルへ戻って荷物を受け取り、列車に乗り込んだのは発車まで5分ほどでした。隣の席に見覚えのある親子が座っていました。「彼ら、昨日ワイナピチュの頂上にいたぞ」と私を見てぼやくお父さんに、思わず「そのとおりですよ」と返事をしてしまいました。前日見張り小屋の辺りで出会ったフランス人親子で、その後同じルートを辿って観光していたのです。実は私、お父さんが娘に詳しく遺跡の説明をしているのを「なるほど…そうなのかぁ」と聞き耳を立てて聞いていました。彼らは次に上ったワイナピチュの頂上でも、やはり隣の岩に陣取っていたのです。その時話をしたわけではないのですが、彼らの会話を聞いていた私はすっかり知り合い気分だったのです。東洋人の私の口からいきなり出たフランス語に、彼らはぎょっとした顔になりました。それを見てにんまり。まさか周りがわかるはずないだろうと思って話す自国語を、隣の外国人が理解しているとしたら…例えばペルーで隣にいるフランス人がまさか日本語を理解できているとは想像もつかないので、そりゃびっくりするでしょう。その驚く顔を見るのが…私のちょっと意地悪な楽しみだったりします。壁に耳あり、障子に目ありです。どうせわからないだろうと安易に悪口など言うと大変です。ふふっ。

★聖なる谷を上る
列車はオヤンタイタンボ止まり、ここから再びクスコへ戻ります。どこかで目にした、駅の外にクスコ行きのバスがいるという情報が頭にあったので、また「なんとかなるさ」と思っていましたが、タクシーしか見当たりません。他の乗客もタクシーや迎えのワゴンなどに乗り込んでいて、「オトナの旅行だからタクシーでもいっか」「貸し切りの方がラクだし」と、私たちもタクシーを使うことにしました。ドライバー数人が「クスコ?」と客引きをしていましたが、1台15$または50slと、みんな同じ値段のようでしたのでそのうちの一台に乗り込みました。二日前はピサック経由で少し遠回りをしてきましたが、帰りは聖なる谷ツアーと同じように、ウルバンバからクスコ郊外の山を越える最短距離を戻ります。最初は無愛想に見えたドライバーさん、寡黙なだけで実はかなり親切な人でした。もちろんスペイン語でしたが…何やら説明をしてくれたり、景色を見るために何度も車を止めてくれました。まずはウルバンバの近く、山の中腹に白く光るマラスの塩田が見えるところで一時停車。その先から山を上って行くのですが、眼下にウルバンバの町と川が、遠くに雪を抱いた山々が見える展望所でも10分ほど休憩。マラスの村の辺りから、なだらかな丘陵地に農耕牛がのんびり働く畑や牧草地が広がり、素晴らしい田園風景が続いています。この近くには湖もあり、クスコ入りした時に機上から見えていたのはこの辺りだったようです。
行程の約半分、ちょうどこの山越えで一番高い辺りのチンチェーロ(3762m)でも「写真を撮るくらいならいいよ…」と村の中へ入ってくれました。坂道で少し息苦しかったのと、時間がかかりそうだったので遺跡の入り口までしか行きませんでしたが、素朴なアドべ家が並ぶ静かな村でした。そこからクスコの街へは下りになります。ところでこの日は独立記念日の前日で、クスコ中心部はパレードのため交通規制があり大渋滞。仕方なくアルマス広場の反対側で車を降り、人ごみの中を徒歩でホテルへ向かいました。オヤンタイタンボからクスコまでは約90km、バスで2hのところ、途中の休憩を入れても1h20で着きました。

★再びクスコへ
実は、朝目覚めた時、筋肉痛でロボットみたいな身体になっていました。階段はもちろん下りの坂道でも情けないくらいに足が痛みます。その状態で荷物を引いて緩い坂道を上り、12時過ぎに3日前と同じホテル、クスコプラザTへ着いた時はヘロヘロでした。前回一番奥の部屋だったので、ホテル内の移動でさえきつかったことを思い出し、この日はチェックイン時に「フロントに近い部屋」をリクエストしたところ、本当にフロントからすぐ、中庭から入れるナサレナス広場に面した部屋に通されました。しかも、オヤンタイタンボに続いてベッドが4つの広い部屋でした。ヒーターがないことに気がついたので、案内してくれたお兄さんに頼むとすぐ持ってきてくれました。休む前にしないといけないことがありました。ワイナピチュでドロドロになったジーンズなどの洗濯です。翌朝までに乾かさないといけないので、早速洗濯、二人がかりで絞り、オイルヒーターを浴室にセットして干しました。コインランドリーに行った方が早かったことに後になって気が付きました…

★クスコの街を歩く
予定が狂ってマチュピチュは半日減りましたが、その分クスコの街でゆっくりできるから結果オーライです。洗濯を終えひと息ついて、14時頃から街へ出ました。まず、パレードで賑わうアルマス広場へ下り、一歩入った路地のレストランでランチ。中南米料理のお店でタコスを食べましたが、ここのナチョスがめちゃうま♪でした。それからホテルのすぐ近く、インカの石組みが残る一帯を散策。あまりにも有名な12角の石も見ましたが、そのたったひとつの石よりも、全体としての美しさに見とれてしまいます。鋭角かと思えば一部は曲がついていたり、12角どころか14角もあったり、職人さん達が技術を競い合っていたのでしょうか?どうしてそこまで複雑に…と思ってしまいます。でも複雑だからこそ、500年以上の長い年月を経ても、すき間ひとつなくじっとしているのでしょうが…その後西河トラベルへお世話になったお礼に行き、列車のハプニングなどしばらく雑談。やはりこの数日、マチュピチュ行きの列車が混雑していて、クスコから乗れない人も続出だったとか。マチュピチュへ辿り着き、予定通りクスコへ戻って来た私たちはラッキーだったのかもしれないね、という話をしました。街のアイスクリーム屋さんでペルーで初めてのスイーツ体験。小さなスプーンで試食をさせてくれるのですが、スペイン語がわからなかったため諦め…最近日本でも話題の、アンデスのハーブ”マカ”と、コカのアイスを注文。コカはいまいちだったけど、マカはなかなかおいしかったです。それから民芸品店の並ぶ通りをウロウロして17時過ぎホテルへ戻りました。それにしても、クスコの空は本当に美しい青でした。さすが3400m、雲がすぐそこにあり、眩しい陽射しと、青い空と白い雲のコントラストが強烈に目に焼き付いています。世界遺産でもあるかつてのインカの都は、多くの観光客と地元の人々で活気がありました。近郊の村の若者達はクスコ=「都会」に暮らすのが夢だという話も聞きました。

★抜け殻になった夜
2000m台で高度的にラクだった3日間の後、そろそろ疲労が溜まり始めていた身体で、それまでより1000m高いクスコの高度は少し辛いものがありました。多少の息苦しさをごまかしながら半日歩き、ホテルへ戻るともう動きたくなくなってしまいました。旅のハイライト、マチュピチュへ行ったという達成感などもあって、まるで抜け殻のようになってしまいました。ランチが遅かったのと、高度による膨満感のためかお腹もすかないので、夕食は抜きにすることにして、持参のお味噌汁やカロリーメイトを消化。数日間、寝不足の連続で8時頃から睡魔との戦いつつ、日記や絵葉書を書いて、10時頃にはベッドに倒れこみました。
$浪費メモ
チップ2$ シャトルバス(往復)@9$ マチュピチュ入場料@20$ オヤン⇒クスコ(タクシー)50sl 
昼食(2人)70sl 水5sl 絵葉書13sl 灰皿(11個)60sl
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1.出発⇒リマ2.リマ3.リマ⇒クスコ(市内)4.聖なる谷・オヤンタイタンボ5.マチュピチュ6.マチュピチュ⇒クスコ
7.クスコ⇒プーノ8.チチカカ湖9フリアカ⇒リマ10.リマ11バジェスタス島&ナスカ12.リマ⇒出国13帰国