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8.7月29日(木) チチカカ湖(湖面3812m)観光:ウロス島⇒タキーレ島(約3900m)
★偽高山病?!
前夜早めに寝たのはいいのですが、なんとも寝苦しい夜で、目覚めはすっきり!ではなく、ぐったり…でした。夜中に何度も目が覚め、眠りに入ろうとすると、胸が苦しくなって眠れないのです。起き上がって深呼吸して息を整え、寝ようとするとまた息苦しくなって…その繰り返しで、寝た気がしませんでした。でもこれが初めての経験ではなく、実は家で寝ていても年に1〜2度こんなことがあります。旅の緊張やストレスのせいで睡眠が乱れて、金縛りのような状態になっていたのかもしれません。でも、寝苦しかったのは、もしかすると少し高地酔いもあったのかも…と、後で思いました。高山病対策のうち、「〜してはいけない」というのがいくつかあります(旅の準備参照)。寝不足のまま動きまわって疲れを溜め、タバコはプカプカ、お腹いっぱい食べて(弟はお酒も普通に飲んで)、熱いお風呂に入って…と、私たちの場合、それをほとんど平気でやっていたのですから。息苦しさは常にありましたが、クスコ初日のように頭が痛くなったりなど、高山病独特の症状はなかったので、断言はできませんが…

★朝のチチカカ湖
    
寝た気がしないまま5時に起床。素晴らしいと聞いていたチチカカ湖の夜明けです。刻一刻と変わる湖を十分楽しんだ後、6:45頃レストランでバイキングの朝食を取り、7:15には迎えの車で港へ向かいました。港には土産物やキオスクのような屋台が並び、大勢の旅行者で賑わっていました。水面ずらりと並んだボート、赤茶けた大地を背に大勢の外国人…ん?どこかで見たような光景…まるでダイビングへ出かける朝のよう…あっ、シャルムエルシェイクの朝の港!そっくりだったのです。でもここは紅海ではなく、3800m以上の湖…そんなことを考えているうちに、同じ船にスイス、カナダ、ベネズエラなど国際色豊かな20人ほどが乗り込み、静かに出航しました。チチカカ湖は船が航行する世界一標高の高い湖で、広さが琵琶湖の12倍、最大水深は281m!いくつもの川からアンデス山脈の雪解け水が流れ込んでいるのに、ここから流れ出る川はないそうです。真ん中でペルーとボリビアに分かれています。発音はティティカカに近いです。

★ウロス島
7:45に港を出て20分、テレビで見たことのある風景が目に入ってきました。トトラ(葦)でできた浮島、ウロス島です。島の作り方はシンプルで、その辺に覆い茂っているトトラを3m位積み上げたら完成。誰でも自分の島が持てるのか?という質問が出ていましたが、答えはYes。下の写真の右側に生のトトラが生えていますが、中央のピラミッドのようなものは刈り取って乾燥させているところで、これを使って家を作ったり、島を補修したりします(補修といっても、水中にある部分が腐れたら、また上からトトラを積み上げるだけですけど…)。ウロス島は数十の大小の浮島の総称で、そのうち2つに上陸しましたが、さすがに足元はフワフワしていました。希望者のみということで、トトラを束ねて作ったバサラという船に乗せてもらいました(有料)。当然モーターの音もなく、穏やかで思ったより透明度のいい湖水を眺めながら、隣の島まで移動。柔らかい風がとても心地良かったです。遠い昔町を追われた人々が住み着いたというこの島では、観光客相手にお土産物を売る人々や、石で穀物を挽いている有料モデルさんもいますが、基本的には今でも昔のままの生活をしています。ただ、以前大統領の計らいで、島にソーラー式の発電機が贈られたそうで、トトラの家の裏に隠すように設置されているのを見かけましたが。
  

★湖から海へ?
9時にウロス島を離れ、2時間かけてタキーレ島へ向かいます。スピードボートならその半分で行けるのでしょうが、ここでは何とものんびりした時間が流れます。プーノからウロス島の辺りまでは水深20mくらいらしく湖面も穏やかですが、ウロス島からしばらく葦の中にある水路を走ると、水の色が緑っぽい青から真っ青になり、ここは海?と言いたくなるような風景に変わりました。平均水深が170mで、琵琶湖の12倍ともなれば、水平線も見えるし多少のうねりもあり、とてもそこが湖だとは思えませんでした。何日もアンデスの山中にいた後ですから、湖とはいえ広大な青い水の上にいるだけでなんだかホッとしました。やっぱり私は水がスキなんだなーと再確認。

★3900mに登る
船は上部がオープンデッキになっていて、上がると眺めもいいのですが、陽射しも風も強かったので結局は船内で過ごしました。元々船に弱く、船の匂いで少し気分が悪くなりましたが、海のようには揺れないので船酔いまではいきませんでした。前夜の寝不足のせいで少し居眠りをしているうちに、タキーレ島が、そして遠くにはボリビアの山も見えてきました。思ったより大きくて高さのある島です。上の方にある村までは急な階段を登ると聞いていたのですが、船は緩やかな斜面の方に着き、11:30に上陸しました。目の前は坂道。「競争じゃないんだから、マイペースで登ってきてください」と言い残しガイド氏はあっと言う間に坂の上に消えていきました。さすがに3900mという高地、ゆっくり歩いても息が上がります。3日前のワイナピチュ登山の恐怖が甦りました。悲しいことに、足にはまだ筋肉痛が残っています。同じ船のスイス人のおじさんと「慣れなていないから苦しいねー」などと話しながら、延々と続く坂道を登ること30分。海のように青いチチカカ湖の素晴らしい眺めに思わずため息が出ました。そして…白い雲が目の高さにありました。

★タキーレ島のお祭り
村の広場はお祭で賑わっていました。実はこのお祭にあわせて日程を組んだのです。村の男たちや子どもたちが、独特の音楽にあわせてステップを踏んで踊り、村の権威者と思われる人たちが一角に黙って座っていました。強い陽射しに鮮やかな色の衣装が映え、遠い異国の地に来たんだなぁーと、としみじみ感じた瞬間。しばらくお祭りを見学した後、踊っている村の人たちの傍らでランチタイム。キヌア(栄養満点のアンデスの穀物)のスープ、キングフィッシュのフライまたはオムレツ、ムニャ茶(タキーレで採れるミントのようなハーブ)のセット。高度のせいか食欲はありませんでしたが、名物キヌアのスープとムニャ茶には感激。沸点が低いのにお茶が熱かったのは意外でした(富士山5合目のうどんはぬるくてまずかった記憶が…)ランチの後再びフリータイムになり、、広場を囲むように並んだ露店を見て回りました。有名な織物や編物を買おうと決めていたのですが、細かい編みこみ模様の帽子や素晴らしい織物を見ていると、どれにしようか迷ってしまってなかなか決められません。結局マフラーとベスト、ミサンガのようなチロリアンテープのような細紐を買っただけで時間切れ、タペストリーになりそうな帯や、耳当てのついたかわいい帽子を買ってこなかったことが心残りです。

★タキーレ島の色
この島には電気も水道もなく、ここで暮らすケチュアの人々は、農業と織物で生計を立てています。タキーレ島の織物の素晴らしさは聞いていたのですが、実際に彼らが身に付けている衣装や帽子に見とれてしまいました。デザイン、色合いや文様ひとつひとつに意味があり、既婚か未婚かなどもわかるそうです。普段着は男性が白いシャツに黒いベストとズボン、腰には赤と白を基調にした帯、頭には毛糸の帽子で、女性はピンクの上着にペチコートを重ねた膝丈の黒いスカート、頭には黒のベールです。女たちは糸を紡ぎ帯などを織り、男たちは編物をします。男たちは祭りを見ながら、仲間と話しながら、歩きながら、または店番をしながら、腰のポシェットから糸を出し、細い針でせっせと編物をしていました。ほんの3時間ほどの滞在でしたが、強烈な色合いがとても印象に残りました。ギラギラの太陽、真っ青な湖と空、原色の民族衣装、目が痛くなるくらい鮮やかな色彩に溢れた、本当に美しい島でした。

★プーノへ
広場から村を通り抜け島の反対側へ出ました。こちらが急な階段のある斜面で、村の門を抜けると眼下に小さな船着場が見えました。こちらから上がってこなくてよかったぁーと思うほど急な階段です。途中、女の子がふたりミサンガを手に立っていました。ガイド氏が教えてくれたケチュア語で名前を聞くと「ローザ」「マリア・フロレンティナ」と恥ずかしそうに答えました。クスコなどの物売りの子ども達と違って素朴&控えめで、とてもかわいかったです。一緒にいた観光客がエンピツをあげていましたが、私はこっそりキャンディーをあげました。虫歯になっても治療できないから、甘い物はやめた方がいいと知ってはいたのですが…筋肉痛でガクガクしながら長い階段を下り、14:30頃タキーレ島を離れました。プーノまでは約3時間、帰りはひたすら睡眠を補うことに専念しました。

★引きこもり二日目
プーノが見えてくる頃にはもう陽が翳りはじめ、風が冷たくなってきました。17:20頃港に着いて、再び車でホテルまで送ってもらいました。夕焼けを見たかったので急いで部屋に戻ると、なんとか間にあいました。朝焼けと夕焼けのどちらも部屋から見られて、ラッキーでした。空気が澄んでいるせいか、本当に美しい空でした。ホテルから街の中心部までは車で5分くらいなのですが、治安があまりよくない街に食事のためだけに出るのも面倒なので、この日も快適なホテルで過ごすことにしました。2泊3日のうち街を通ったのは、結局到着時に他の乗客を下ろすためにバスで周った時だけでした。その時の街の印象が、ゴミゴミしていて埃っぽく、どこかせわしないというか怖そうだったせいもあります。いったん休むと動きたくなくなるので、そのまま夕食にしました。相変わらず食欲はあまりなかったのですが、前日、軽いメニューがあったことも確認していたし、同じ失敗はもうしません。単品で軽く済ませて部屋に戻りました。そして大きなバスタブに熱いお湯を張ってゆっくりバスタイム。ここまできたらもう高山病予防がどうのとか、あまり考えませんでした。旅の疲れを取るにはやはり熱いお風呂が一番です。お風呂上りに部屋の窓を開けると、心地いい冷たい風、冷蔵庫代わりに外に置いていた水はキーンと冷えていました。ところで強い陽射しと乾燥のせいで、手や顔がパリパリになっていることに気がつきました。日本は真夏なのに、やはりペルーは冬、特にプーノは真冬でした。夕方から気温は一桁になります。さて、その後は日記と絵葉書を数枚書いて、今夜こそ熟睡できますように…と祈りながら22時就寝。
$浪費メモ
チチカカ湖ツアー@22$ バサラ@5sl ベスト25sl マフラー20sl リボン@3sl 夕食(2人で)24.4$ 
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