++ TOP ++ 旅の計画 ++ 旅の準備 ++ 日程表 ++ 旅行記 ++ アルバム ++ パノラマ&動画 ++ 食べ物 ++ おみやげ ++ 壁紙 ++
10.7月31日(土) 終日リマ市内
★リマの朝
安堵のためか低地に戻ったためか、8時までしっかり熟睡していました。2階に用意してある朝食をゆっくりいただき、リビングに置いてある本や情報ノートなどを見ながら1日の計画を立てました。到着翌日は昼まで寝ていて考古学博物館しか見られなかったので、この日は市内観光です。他のゲストさん達に聞けば、急ぎ足で半日、ゆっくり歩いて周って1日で十分とのこと。出発日の日中は最後のお買い物にあてることにして、1日かけてのんびりセントロとミラフローレンスを周る定番コースに決定。セントロはあまり治安がよくないらしいので、よく考えながら身支度をしました。弟の一眼レフ、クレジットカードやパスポートなどは全て置いていくことにして、デジカメは首から下げてベストの内側に収納。ここで気が緩んで盗難に遭ってはたまりません。準備万端、気合いを入れて10時頃ペンションを出ました。

★コスタ気候
と、外は霧です。抜けるような青空のアンデスの朝とは違い、湿った空気に覆われていました。雨こそ落ちてはきませんでしたが、一日中重たい灰色の空でした。寒くも暑くもなく、乾燥したアンデスでカサカサだった肌しっとりしています。海岸砂漠地帯(コスタ気候)に属するリマの冬は、海から湿った空気が流れ込み曇り空が多いそうですが「雨は1年に2cmしか降りません」と、ぺぺさん。2cm=20mm…たったそれだけ?日本だと20mmなんて普通に1時間で降りますが…雨が少ないと水不足が心配ですが、断水はあまりないようです。が…この日夕方ペンションに戻ると、バスルームに大きなポリバケツが置いてありました。水道の調子が悪くてお湯は出るけど水が少ししか出ない…とのこと。すぐに復旧したので、特に不便はありませんでしたが。

★空気がある!・・・でも・・・
まずは歩いて日秘会館へ向かい、ここで両替を済ませセントロへ行きます。歩き出してすぐ、大きな動作や早足にならないように気をつけている自分に気が付きました。6日間高地で過ごすうちに無意識にそうしていたようですが、ここはリマ。濃い空気がいっぱい!深呼吸なんかしなくても快適です…と、言いたいところですが…リマの空気の悪いことと言ったら東京の比ではありません。車検のないペルー、信じられないようなポンコツまで普通に走っています。排気ガスの匂いで気分が悪くなりそうでした。おいしくて薄い空気と、汚くて濃い空気…どっちもどっち、息苦しさにはあまり変わりないかもしれません。

★ペルーのタクシー
タクシーは日本のように社名の入った無線車ではなく、普通の車にステッカーを貼っただけの車がほとんど。普通の、と言っても、ペルーの車は本当にボロボロ。日本の企業の名前の入った車を時々見かけましたが、日本で買い手がつかなくなった中古車が、海を越えてペルーで動いているのでしょう。はるか昔に売り払った自分の車にペルーで遭遇!…なんて話もあるかもしれませんね。ぺぺさんによると、車さえあれば、【TAXI】のステッカーを買うだけで誰でもタクシー営業ができるそうです。実際街角で売ってあるステッカーを見かけました。ペルーのタクシーにはメーターがついていません。運転手に行き先を告げるか、地図や住所を見せてから値段交渉して乗り込まないといけません。スペイン語は数字がなんとか理解できる程度なので、内心ドキドキしつつも慣れた振りで値切ります。「10sl」「んー、5sl」「ノー、8sl」「じゃー(←日本語)7sl」「OK」という感じです。その時の気分と相手の雰囲気次第ですが、粘る時は粘ります。リマ市内には流しのタクシーはたくさんいて、こちらが探すより先にタクシーから声がかかるほどです。ところがこのタクシーも安全とは限りません。外からの強盗ばかりか、運転手自身が強盗に変身したり、という話も聞きます。バックやカメラは外から見えないよう隠して乗り込み、街中を通る時はついロックを確認してしまいます。ある時、私たちが乗り込んだ途端、運転手さんはステッカーをはがしました。狙われやすい”外国人=旅行者を乗せているタクシー”ではなく、普通の車を装うためなのでしょうが、それほど治安が悪いのかと、緊張してしまいます。そうでなくても、信号で止まると、両手いっぱいにいろんな物を抱えた物売りさん達がわんさと押し寄せ車を取り囲みます。お菓子や雑誌、古本、乾電池や金物屋にあるような物などを持って。運転手の方を向いてパフォーマンスをしている人もいましたが、青に変わった途端クラクションの嵐で、なんだかかわいそうになりました。
★セントロ:カテドラル
さて、そのポンコツタクシーを止め、セントロのアルマス広場へ向かいました。お目当てのペルー政庁の衛兵交替式は正午、約1時間あったので、まずカテドラルを見学しました。ここには、インカ帝国を滅ぼしクスコからリマに都を移した、フランシスコ・ピサロとされるミイラが安置されています。1500年代から何度も修復・増築を繰り返して現在に至るこのカテドラルには、大きな祭壇が数多くあります。金や銀の装飾と彫刻で飾られた見事な祭壇や絵画ももちろん見ごたえがありますが、目を引いたのは左手奥にある展示室。祭服、古い燭台や、祭壇の装飾に使われたと思われる宗教美術品などのコレクションがずらりと並んでいます。ヨーロッパの教会でクリスマス時期に公開される、イエス生誕の場面を再現した古いフィギュアや、細かい銀細工の花や宝石をちりばめた額など、まるでちょっとした美術館のようで、ここを見るだけでかなりの時間がかかりました。

★衛兵交替式
カテドラルから出てくると、ペルー政庁の前にはすでに人が集まり始めていました。衛兵の交替式は11:55頃から約20分行われました。楽団も入れると総勢3〜40名ほどはいたでしょうか。左右の扉から衛兵達が出てきて、足を地面から90度振り上げてゆっくりゆっくり歩いてきます。中央で剣を上げ下ろししながら”交替”の儀式をしているのでしょうが…みんなここに集まっていては警備にならないだろー、と夢のないことを思いつつ…他の観光客に紛れて眺めていました。

★サンフランシスコ教会・修道院
アルマス広場周辺は地元の人と観光客でごった返していましたが、警備のポリスも多く安心です。次に歩いて5分ほどにあるサンフランシスコ教会に向かいました。路地に一歩入ると、どこか陰鬱な雰囲気です。靴やカバンの小さな工房や埃っぽい雑貨屋、食堂などの脇を早足で通り抜けました。フェンスで囲われた教会の周辺にはポリスが何人もいて、物売りの子どもなどが敷地内に入らないように目を光らせていました。黄色く塗られたかわいらしい教会のファサードは木製で、素晴らしい彫刻が施されていました。見学はガイド付きのツアーのみで、入り口で英語かスペイン語か聞かれ、奥の部屋で待ちます。人数が集まるとガイドさんが現れ、15人ほどのグループで中に入りました。ここもカテドラル同様16世紀に建築が始まった建物で、修道院が併設された大きな教会です。中庭を囲むように作られた修道院の回廊は、1620年に贈られた、本国スペインのセビリアのタイルで埋めつくされていて、青と黄色が基調のモザイク調の壁を見ていると、セビリアの教会やグラナダの宮殿にいるような気がしました。ところで、最後の晩餐の絵画がありましたが、メインディッシュは”クイ(ねずみ)”でした…この教会の内部も彫刻などが素晴らしく、外部から招いた司祭の控室にも見事な彫刻の椅子が並び、床も総大理石。この他、天体を模したような装飾の天井も印象的でした。見学ツアーの最後は地下。ここにはカタコンベがあります。地下の三層に数万体の遺骨が埋葬されているそうで、一部分を見学できます。人骨の間を通り抜けて行くのにあまり不気味に感じないのは、部位別に整然と納められているからでしょうか…パリの地下のカタコンベはもっと薄気味悪かったような気がします。臭気や雰囲気にもよるのかもしれません。

★セントロを歩く
再びアルマス広場に戻り、ここから、かつて露店が並び犯罪の温床となっていたという、ラ・ウニオン通りを歩いてみることにしました。スリ対策は十分にしてきたつもりでしたが、さすがに身が引き締まります。通りの両脇には安い洋服屋、靴屋など、おもしろそうな店がたくさん並んでいましたが、店先を冷かすだけにしました。ゲームセンターやカフェ、ファーストフードの店も多く、若者で賑わっていました。店先で焼かれているチキンがなんともいい匂いでしかも値段も安く、そそられましたが…これも我慢。というのも、大好物のシュワルマというアラブのサンドイッチがあると聞いてそれを探していたからです。ミルフィーユのように重ねた羊肉の塊をあぶり焼きにして、それをナイフでシュッシュと削ぎ落として野菜と一緒にパンやピタに挟んで食べる、アラブのサンドイッチです。結局発見できませんでしたが…さてさて、少し歩くと有名な黒い看板のマクドナルドがありました。赤に黄色のトレードカラーが街の雰囲気に調和しないからだということですが…壁が黄色で十分派手な気が…ラ・ウニオン通りを抜けた広場の一角に、ケンタッキーフライドチキンがありましたが、こちらも見慣れた赤と白ではなく、看板と日よけは青でした。

★ミラフローレンスへ
ブラブラしていると13時頃になり、再びタクシーでミラフローレンスのセントラルパークまで移動しました。お腹がすいてきたので何か食べようと、ホセ・ラルコ通りを歩き始めましたが、銀行やブティックなどがあるだけで、これといっておもしろそうなレストランが見つかりません。この通りはセントロのような喧騒もなく、静かな官庁街という雰囲気で、ブラブラ歩くうちに結局海まで出てしまいました。ラルコ・マルという大きな複合商業施設へ入り込みました。太平洋沿いの崖の上に作られた大きな施設で、小さなブティックや雑貨屋、お土産物屋、カフェやレストラン、ゲームセンターに映画館などがあり、入り口では警備員が出入りをチェックしています。まずは展望所で久しぶりに海の匂いをたっぷり吸い込みました。海にはこの時期特有の霧が立ち込め、灰色がかった青でしたが、ここが太平洋の東の果てで、この海が日本まで繋がっているのかと思うと感慨深いものがありました。冷たそうな感じでしたが、やはり海を見るとホッとします。

★ペルー料理
ペルー10日目でも、まだ有名な料理をほとんど食べていませんでした。セビッチェはペンションの近くのお店がおいしいと聞いていたのでお預けにして、ロモ・サルタードを食べることにしました。海が一望できる、ちょっとオシャレな感じの店に入ったのはもう3時近くでお腹はペコペコ。サラダとロモ・サルタードとパエリアを頼んだのですが、どれも直径30cmほどの大きなお皿で…この量はなんとかならないものでしょうか…ロモ・サルタードは、細切りの牛肉とタマネギ、ピーマンとフライドポテトを一緒に炒めたもので、ソースは少しスパイシーですが、なんとなくお醤油のような、親しみのある味がしました。この店では写真のとおりポテトは別盛りで、ライスはかわいらしい型抜きでした。パエリアもちゃんと米から調理されていて、魚介たっぷりで本当においしかったです。ただ、ビールやフレッシュジュースなども頼んだのですが、ふたりで100ソルを超えたのには驚きました。2人で\3500くらいとなると、日本では普通ですが…いつもの2〜3倍でした。

★南米ブランド発掘♪
お土産物屋などの店をいくつか覗いてみたのですが、値段の高さに驚きました。同じような民芸品でも、ここではクスコなどの2〜3倍はします。アグアスカリエンテスの小さな店で100ソルくらいだった壁掛けが、70ドル!アンデスではあまり見かけなかった、有名な銀製品の中にかわいいペーパーナイフがありましたが、高かったので却下。次に洒落たデザインのTシャツが飾ってあったお店が目を引いたので、ふらっと入ってみました。TATOOというアウトドア専門のブランドショップのようで、アウトドア系ファッション大好きの姉と弟は目がキラリ☆日本でもメジャーな米系ブランドと同じように、機能的でオシャレな肌着からフリース、もちろん登山用のグッズもありました。何十種類もあるTシャツのデザインがなかなかおもしろくて、自分用に2枚買い、今夏の一番のお気に入りになりました。紙袋にペルーやボリビアの名前が入っていたので南米のブランドのようですが、日本に入ってきても人気が出そうな気がします。

★無事ペンションへ
18時頃には海沿いの道をガンガン飛ばすタクシーに乗り、リマ市内観光を終えました。ペンションのある地区の名前とスーパーの名前を告げると、無事にスーパーに到着。ここで例によってビールなどを買い込み、ペンションに戻りました。スリにも首締め強盗(それはクスコかw)にも遭わず、無事にリマの1日が終了。「ただいまー」とリビングに入ると他のゲストのみんなが「お帰りなさーい」と迎えてくれ、ここに戻ると本当にホッとします。治安が悪いからと言って神経質になるのもつまらないのですが、気が緩んで何か事件や事故に遭ったらせっかくの楽しい旅が台無しです。本当はリマの街角の写真をもっと撮りたかったのに、カメラを出す勇気がなくて数枚しか撮れなかったのが心残りですが、旅慣れない弟を連れてきているという責任感(?!)もあるし…家に帰り着くまでは気合い!です。遅い昼食でお腹がすいていなかったので、買い置きの果物などをつまんで夕食は抜きました。リビングのパソコンでメールチェックをしたり荷物の整理をして、23時にはベッドへ。明日は日帰りのナスカツアー、出発は早朝4:30です。
$浪費メモ
タクシー(3回)7sl・8sl・6sl カテドラル入場料@10sl サンフランシスコ教会入場料@10sl
昼食105sl(2人で) ペルー地図17sl 絵葉書15sl TATOO(Tシャツ@35・キーホルダー@6sl) 
≪ BACK        NEXT ≫
1.出発⇒リマ2.リマ3.リマ⇒クスコ(市内)4.聖なる谷・オヤンタイタンボ5.マチュピチュ6.マチュピチュ⇒クスコ
7.クスコ⇒プーノ8.チチカカ湖9フリアカ⇒リマ10.リマ11バジェスタス島&ナスカ12.リマ⇒出国13帰国