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11.8月1日(日) リマ⇒バジェスタス島⇒ナスカ地上絵⇒リマ
★ペルーの朝は早過ぎる…
飛行機もバスも電車も、何でこう朝早いんでしょう?ペルーにいたら朝陽より早く活動開始しなければいけません。太陽のリズムで生活するなんて、夜行性の私には大変なことですが、時差と緊張のおかげでペルーでは人間らしい毎日が過ごせました(爆)。この日のペンションのナスカ&バジェスタス島日帰りツアーは、朝4時半出発。444km離れたナスカまで日帰りですから、強行軍だとはわかっていますが…目覚ましは3時だったのに起きられなくて、3:45に飛び起きました。寝ぼけたまま用意して下に行くと、ぺぺさんもちゃんと出てきてくれていました。ツアーはペンションのツーリングワゴンで、運転手さんがひとりで案内してくれます。スペイン語しか話せない運転手さん(名前を忘れました)と、私たちふたりのツアーです。車中で退屈しないようにと、ぺぺさんがいろんな本を積み込んでくれました。

★パラカスへ
まずはリマから250km南のパラカスへ向かいます。車中で退屈するどころか…まだ眠ったままのリマの街を抜ける頃にはすでに夢の中でした…運転手さんに申し訳ない気もしましたが、たっぷり3時間、睡眠を補給したところで海が見えてきました。辺りは霧で霞んでいます。ここからボートでバジェスタス島行くのですが、まだ7:30だというのにパラカスの港は大勢の観光客で賑わっていました。海岸にはペリカンがたくさんいて、地元の子ども達がイワシのような魚を手にペリカンを集めては、写真を撮る観光客にチップをねだります。羽を広げると人間が手を広げたくらいあり、オーストラリアで見たペリカンよりももっと大きいような気がしました。手配してあるボートに乗り込むまでまだ時間があるというので、遠慮して少し離れた所にいる運転手さんを身振り手振りで誘って、一緒に港沿いのカフェでコーヒーとサンドイッチの朝食を取りました。

★バジェスタス島
7時半には港に着いていましたが、ボートに乗り込んだ時は8:20になっていました。湾になっているためか、港の海面は海草などでよどんでいてちょっと匂いも…遊覧船のように座席が並んだボートに20人くらいが乗り込み、8:25に出航です。私たちは一番前の席に座りました。チチカカ湖と違ってこちらはスピードボートです。10分もしないうちに、岬の斜面に描かれた、パラカス版の地上絵”カンデラブロ”が見えてきました。縦189m、横70mの大きな絵で、スペイン人が入ってきてからか、プレ・インカ時代か、描かれた時期ははっきりしないそうですが、遠く離れた沖からでも見えるため、漁に出た船の目印だったのではということです。港を出てから30分で、バジェスタス島が見えてきました。いくつかの岩の島が集まったこの島は、リトルガラパゴス、ミニガラパゴスと呼ばれ、いろんな種類の海鳥やオタリア、フンボルトペンギンなどが生息する動物の楽園。イルカもよく現れるそうですが、残念ながらこの日は姿を見せてくれませんでした。近づくにつれ、外洋の波に洗われた切り立った岩肌にびっしり群がる海鳥たちの鳴き声が聞こえてきました。すぐにガイド氏がペンギンを発見。南極からフンボルト海流に乗ってやってきた小さなフンボルトペンギンで、10羽ほど群れていました。砂漠気候で年間を通して温暖な地域にペンギンとは場違いな気がしますが、それだけ水温が低いのでしょう。左右のどちらのゲストにも動物達が間近に見えるように、岩の間を縫うようにしてボートは進みます。ぎゃぁぎゃぁという鳴き声はオタリア達です。小さな赤ちゃんから、数百`はありそうな巨漢まで、いるわいるわ…時おり海に飛び込んで漁をしたり、数頭で楽しそうに騒いでいたり、海面からちょこんと頭だけを出してじぃーっとこちらを眺めていたり…ボートが近づいても動じることなく、ヤル気のなさそうなポーズで岩の上に寝そべった姿に思わず笑いが出ます。ところで、これだけの動物たちがいるということは…場所によってはかなり臭います。特にオーバーハングになっているところなど、風が通らないところでは強烈でした。臭いに敏感な人はご注意を…

★別の視点
@一応私もダイバーの端くれです。島の形そのものにもつい目が行き、ワクワクしていました。洞窟やオーバーハングなどのおもしろそうな地形が多いのです。外洋側はもちろん、岩の島が点在しているので流れは複雑できつそうでしたが、断崖も多く、外洋にある島なので豪快なドロップオフも想像でき、潜ってみたいなーと思いました。水温が低いので殺風景かもしれませんが。それからオタリアダイビングは…おもしろそうだけどちょっと怖そうです。
A動物たちの保護のため人間は上陸できないので、彼らはこの島で自由気ままに暮らしています。その動物たちを見に行く観光客を乗せた、何十隻ものボートがひっきりなしに島を訪れます。ふと、そんな私たちを彼らはどんな思いで見ているのかな、と思いました。もしかすると、観察されているのは、カメラ片手にあっちを向いたりこっちを向いたりしている私たち人間の方なのかも…そんなことを考えながら…約1時間ほど島を周って、再びパラカスへ引き返します。

★寒くて暑い?!
前夜、ペンションに長く滞在している人に、バジェスタス島やナスカはどんな所か尋ねました。「寒くて暑い」との返事。基本的には同じ砂漠気候なのに、バジェスタス島は寒くて、ナスカは暑いというのです。重ね着した上でジャケットも持って行ったほうがいいよ、とのアドヴァイス…行ってみて納得。ただでさえ曇天で肌寒い朝、ボートの上は超寒い!あまり風が当たらない一番前の席は正解でしたが、途中から霧雨が降り始め、寒いのなんのって…風は予想していましたが濡れることは考えていなかったので参りました。潮風対策にもなるので、ビニールのレインコートを持って行けば良かったと大後悔。パーカーのフードをかぶりタオルをひざ掛けにして、寒さに震えながらの帰港でした。ボートにトイレはないだろうと、水分は控えていたので私は大丈夫でしたが…船が着いた後、港のカフェのトイレは大渋滞でした(爆)ちなみに私のカメラ(μ25)は生活防水仕様なので、一眼レフを出せない弟の分まで撮りまくり。こんな時は助かります。

★砂漠を走る
2時間の激寒ツアーを終え、10時半にはナスカへ向かって移動開始。途中再び居眠りをしているうちに、辺りの景色がガラリと変わっていました。イカの街を通り過ぎ、ゴツゴツとした岩山の合間をパルパに向かって下ります。砂というよりも、礫砂漠という感じで、シナイ半島の風景を思い出しました。気温もぐっと上がり、砂漠気候を実感。ただ、海沿いのように霧とまではいかなくても、なんとなく霞んでいます。ナスカの地上絵がはっきり見えるか不安になりました。

★ミラドール&ミラドールナチュラル
パラカスを出て約2時間、平原の中の一本道パンアメリカンハイウェイの途中に、ミラドールがありました。有名な地上絵の研究家故マリア・ライヘが建てた展望所です。車から降り辺りを見渡しても、どこに何があるのかさっぱりわかりませんが、やぐらの上に登ると左に【手】、右に【木】が見え、初めて目にする地上絵に感激しました。いつの頃からか、一度この目で見てみたいと思っていたナスカの地上絵。マチュピチュに立った時と同じような感動がありました。次に、少し進んだところにあるミラドールナチュラルにも立ち寄ってもらいました。運転手さんが英語を交えながら説明してくれたところによると、この丘を基点に何本もの地上絵の線が延びているとのこと。上に登ると、見渡す限りの砂漠が広がり、放射状に伸びるいくつもの線が見えました。地上絵は、有名な絵や図形の他、このような線が無数にあり、実際そのうちのひとつの線がすぐ足元ありました。セスナ観光だけではなく、どうしてもこうして間近で見てみたかったので、本当に感激でした。表面の黒い石を取り除いて、その下の白っぽい地表を出しただけの、ほんの20cmほどの幅の線が、このナスカの砂漠じゅうに広がっているのです。雨が滅多に降らない砂漠の気候が残してくれた、文字通り砂に書いた儚い古代の遺産。絵誰が何のためにとか難しい話よりもまず、2000年近くも残っていること自体に感動します。いつか消えてなくなる日がくるのでしょうか。地元ではその存在は知られてはいたものの、世界的に注目されるようになったのはほんの70年ほど前、保護を訴えるマリア・ライヘ女史の尽力もむなしく、すでに建設が決まっていたパンアメリカンハイウェイや、乗り入れた車によって絵が傷つけられているのは本当に残念です。

★セスナに乗る
ミラドールからナスカの空港までは15分ほど。14:20に手配してあった航空会社アエロパラカスに着くと、順番待ちどころか逆に待たれていたような勢いで誓約書にサイン、手荷物を預けてすぐセスナに乗り込みました。機内は軽自動車ほどしかない4人乗りのセスナで、パイロット氏が見習中だったのかどうか?ですが、前には関係者のおじさんが乗り込み、後部に弟と私のふたりです。こんなに小さなセスナは初めて。酔って大変な目に遭ったという話を聞いていたので、日本から酔い止めの薬を持って行っていたのですが、すっかり忘れていてペンションに置いたままでした。船酔い常習者だったのに最近不思議と酔わない時があり、また、絶叫マシーンダイスキ人間なので、たぶん大丈夫だと思い乗り込んだのですが、席に着いて別の意味で少し不安になりました。ドアや窓枠がガタガタしているところがあり、このセスナで大丈夫なの?と。

★ナスカ平原を飛ぶ
カタカタと変な音に続き騒音を立てながら離陸。5分もしないでナスカ平原の上に出ました。かすみが心配でしたが陽も射し始め、視界は良好。すぐに地上絵の線がたくさん見えてきて、パイロット氏が何か言っているのがヘッドフォンから聞こえました。まずは大きな二等辺三角形。左右どちらの席からも見えるように、ちゃんと旋回してくれます。旋回する時は写真のように45度くらい傾きます。これでみんな酔うのでしょうが、酔いも怖さも全くなく逆に楽しくて仕方ありませんでした。まもなくヘッドフォンに「アストロノーッ!」の声。”宇宙飛行士”と言われるその絵には、とても感動しました。地上絵は地面に描かれているのものと思っていましたが、それは赤っぽい丘の斜面にあり、線もくっきりとしていて立体的に見えました。次は「ドーッグ!」どこにあるのか必死で探しましす。そしてその横には長い尻尾が渦巻状に描かれたサル。これは線が少し薄くなっていて、光線の加減でははっきり見え難いかもしれません。あっという間に通り過ぎるので、弟と「撮れた?」「ダメかもぉー」「おっし、ばっちり!」と写真を撮るのに必死。パイロットの声が聞こえない時も、何か見えないかカメラを片手にずっとキョロキョロしていました。次はコンドル。カメラのファインダーからはみ出そうなくらい大きくはっきり見えました。この頃には目が慣れたのか、見方がわかったのか、言われる絵がすぐに見つけられるようになりました。クモ、ハチドリ、サギ、オウムと次々に見えます。ミラドールとその前にある木と手もはっきり。有名な絵以外にも不思議な幾何学模様や無数の線があちこちにあり、滅多に降らない雨が流れた跡などを見ながら空港へ引き返しました。もちろん最後まで全く酔うこともなく、35分くらいのフライトは十分に楽しめました。このセスナ遊覧に関しては、テレビで見たほうがいい、大したことなかった、という声もあります。確かにはっきりと、ゆっくりと見られるのはテレビかもしれませんが、どのような環境にどんな風に描かれているのか、自分の目で見られたことが感動的で、十分満足できるものでした。

★遅い昼食→デザート付き♪
セスナを降りて向かいの休憩所で一服し、近くのレストランに行き、また遠慮して別のテーブルにつこうとする運転手さんも一緒に少し遅いランチを取りました。ペルーのレストランにはよく炒飯があり、これがなかなかおいしいのです。それにしても弟が頼んだチキンカツのでっかいこと!パラカスで食べたきりでこの時すでに15時、ふたりともお腹ペコペコだったので、見事に平らげましたが。食後すぐ、15:30頃にナスカを出て400km以上離れたリマまで戻ります。すると30分ほど走った、オレンジの町パルパで車が止まりました。道の両側には、たわわに実ったオレンジ。日本でもよく郊外で目にする産地直売所があり、どうやら運転手さんはオレンジを買い込むようです。ペンションの朝食に出るフレッシュジュース用かな?ペルーのオレンジはどこで食べてもハズレがないのですが、ここで切って食べさせてもらったオレンジが一番おいしかったです。ランチ後というのに、大きなオレンジを丸々1個平らげ満腹&満足して車に乗り込み、再び来た道を引き返しました。

★→イカ→リマ
同じ道と言っても朝は爆睡していたので…復路は車窓の風景を楽しみながらの移動です。砂漠地帯から大小の集落を通り抜けるのですが、アンデスのように厳しい生活の匂いは感じられず、もちろん伝統的な服を着ている人もいません。海も近く、穏やかな気候のおかげで裕福とまではいかなくても、そこそこの暮らしができるのでしょう。じきに太陽が傾き始めました。相変わらず霞んだ大気のおかげで、ぼんやりと黄色く染まっていく風景に、思わず見とれてしまいました。イカの町を過ぎたところで、ガソリンスタンドに立ち寄りトイレ休憩。そのうち辺りはすっかり暗くなり、太陽と共に私たちふたりも没・・・再び目を覚ました時は、ネオンがきらめくリマの街でした。

★最後の夜
ペンションに到着したのは21:30、17時間の日帰りドライブとなりました。900kmもの道のりを、たったひとりで黙々と運転してくれた運転手さんに感謝です。運転も上手で車もペンションのトヨタ車だったので、安心して眠ることが出来ました(何か違う…爆)。さっそくリビングにいるみんなに1日の報告をして、夕食。実は、すき間だらけのスーツケースに詰め込んできていたインスタント食品(うどんやそば)をずっとペンションに置いたままだったので、それで済ませることにしました。久しぶりに食べるカップ麺のおいしいこと♪余ったみそ汁やホットレモンなどは、長期滞在中のゲストさんにプレゼントしました。翌日の深夜便でリマを離れるため、早いもので、この日がリマ最後の夜です。翌朝チェックアウトして出発まではリビング居住になるので、荷物の整理をしなければいけません。買い込んだ大量のお土産が心配でしたが、スーツケースとキャリーバッグにちょうど収まりました。空港でピスコ(お酒)を買うつもりだったので、ピサックで買ったバッグを機内持込み用にして、荷物整理完了。ベッドへ入ったのはすでに1時でした。
$浪費メモ
ツアー代(観光・ランチ)@290$ 朝食(3人分)18sl 飲み物他22.5sl チップ5$  
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1.出発⇒リマ2.リマ3.リマ⇒クスコ(市内)4.聖なる谷・オヤンタイタンボ5.マチュピチュ6.マチュピチュ⇒クスコ
7.クスコ⇒プーノ8.チチカカ湖9フリアカ⇒リマ10.リマ11バジェスタス島&ナスカ12.リマ⇒出国13帰国